以前までは鑑賞した映画について1本ずつ記事にしていた。しかし、大学のアメリカ映画についての授業も終わったことや、単に面倒になったことを言い訳に、ひと月に観た映画をまとめて記事にすることにした。どうぞよろしく。
ちなみにここで紹介する映画は、NetflixもしくはAmazon Prime Videoで視聴したものだ。前者は両親が契約しているアカウントで、後者はAmazon Prime Studentの無料体験(なんと6か月も)で鑑賞している。ネトフリはともかく、アマゾンプライムは大学生なら加入すべきだ。
ネタバレを含むことがあります。
ファイト・クラブ
胸騒ぎの恋人
監督:グザヴィエ・ドラン
公開:2010年
原題:Les Amours imaginaires
異性愛者の女性と同性愛者の男性が、二コラに恋に落ちてしまい、彼らの三角関係を描くストーリー。特に二コラ以外の2名に焦点が当てられており、彼らが二コラに片想いする様子がリアルに描写されていて面白い。特に、彼らが嫉妬するときの顔つきや仕草が現実味を帯びている。良い意味で、演技らしくない。
途中で全く別の人物たちのインタビューが挟まれており、1989年公開の『恋人たちの予感』のようであった。オマージュかな。
オールド・ボーイ
監督:パク・チャヌク
公開:2003年
原題:올드 보이
映画好きな高校の同級生から絶賛されていた映画。僕も絶賛したい。
コミカルな前半から徐々にシリアスになっていく様は、同じ韓国映画の『パラサイト』のようだった。善と悪の立場がどちらがどちらかなのか分からない感じは、不思議だった。過激なグロ描写は観ていて辛くなった。真相に気づき、威勢が悪くなっていく主人公の哀れさやプライドを捨てる姿勢には感動した。
とても良い映画だった。
デス・プルーフ
公開:2007年
原題:Death Proof
「あー、タランティーノ、カーアクションしたかったのかなぁ」と感じた。実際のところどうなのか分からないけれども。モノクロから一気に色彩が加わる描写だとか、わざとフィルムに傷がついたような演出をしている。面白い。また、タランティーノおなじみの映画の本編とは全く関係のない話を延々と続けるシーンも盛りだくさんで楽しかった。ラストはすっきり終われるし、いいね!
マトリックス
公開:1999年
原題:The Matrix
ずっと前から観たかった映画。ようやくNetflixで配信されていたので鑑賞した。数多のレポートを抱えて(まだ全然終わっていない)。
設定が最高にクールな映画で、僕の生まれる前にこんな近未来的な映画が公開されていたなんて信じられない。盛った。とはいえ、ファイト・クラブといい、アメリカン・ビューティーといい、1999年のアメリカ映画の豊作具合が異常である。映画オタクの中でも1999年の映画はやばいって言われてそう。
設定自体は難解なものの、実際のストーリーの展開は早いし分かりやすいので飽きることなく観れた。しかしながら、(予想はしていたものの)ラブコメを盛り込んでくるあたり、興ざめというか、ここに入れる必要はなかったのでないかと感じた。もちろん、男女が情を交わす演出は、売上につながるのだろうけれど。
それ以外に関しては文句なしのおもしろクール映画だった。続編も配信されていたはずなので、ぜひとも観たい。
マトリックス リローデッド
公開:2003年
マトリックスシリーズ第2弾の作品。前作よりアクションに力を入れていたように感じた。僕の中のアクションシーンの基準は「仮面ライダー」なので、どんなに気合が入ったアクションでも「ライダーよりすげぇ」くらいの感想しか言えない。
先に、主人公ネオとその恋人トリニティーのいちゃいちゃが気にくわないということを書いた。今作ではそれがより本格化した。しかしながら、その「人間の愛」そのものに主軸が置かれるというか、そういうテーマになったので、楽しんで鑑賞できた。
あと、前作で船のオペレーターだったタンクくんが不自然にもいなくなり、別のキャラクターがオペレーターを担当していた。役者同士でいざこざがあったのだろうか。製作者には仲良くしていてほしいものだ。「人間の愛」を大切に。
愛のむきだし
監督:園子温
公開:2009年
英題:Love Exposure
これも映画好きの友人から勧めてもらった作品だ。4時間近くもある超長編映画である。しかしながら、その長さを感じさせないほど惹きつけられる作品だった。
あらすじを端的に説明できない。
ヨウコがとても魅力的な女性だったこと。盗撮の手際。登場人物の愛の矛先があまりに鋭いこと。先輩が「先輩」と呼ばれていること。勃起への執着が強いこと。主題歌をゆらゆら帝国が担当していること。などが良かった。
夕飯から観始めて気づいたら日付が変わっていた。意識が朦朧としているので、記録は以上とする。
自転車吐息
監督:園子温
公開:1989年
『愛のむきだし』が非常に面白く、映画を観てから1日経っても頭から離れなかった。園子温が魅力的なのだと思い、彼が29歳の頃に製作した作品を鑑賞した。
正直なところ、意味が分からなかった。難解であった。解読させないつもりの映画なのだろうか。大衆の視線を考えた映画ではない。
急に画面に大きく映るケイタだったり、クマの着ぐるみだったり、「ここにジャクソン・ポロックが立っていた。」という文字だったり、難しすぎる。ううう。
ドロステのはてで僕ら
監督:山口淳太
公開:2020年
ヨーロッパ企画による短編のSF映画。ヨーロッパ企画といえば、デイリーポータルZのぷーぷーテレビの暗い旅だよね。なに言ってるか分かんねーな。
喫茶店を経営する主人公マスターの喫茶店内にあるモニターとその2階にある彼のアパートの部屋のデスクトップのモニターに2分の時差が生まれてしまい、それでなんやかんやするストーリー。めちゃくちゃ楽しい70分だった。
ぜひ観ていただきたい。
まず散髪に行く
監督:城戸
公開:2020年
Twitterで愉快なことを呟いたり、映画に詳しかったり、目元付近というグループで小説を書いていたりしている城戸が制作した映画。詳細は知らないけれど、リモート映画祭というイベントで作られたらしい。
たった10分でこんな展開の仕方があるのかと驚ける。監督のむしゃくしゃした感情とか初期衝動みたいなのがうまく昇華されていた。こんな上から目線で感想を述べるなんて良くないな。