The Azure

動き

労働、愛

 大学生になったら飲食店でアルバイトをする予定であった。狙いはもちろんまかないによる食費の節約である。週に4日バイトするとして、1か月が4週間きっかりだと仮定すれば、16食分の節約になる。残念ながら現在の状況下ではこれは捕らぬ狸の皮算用になってしまうのだが。

 実際いくつか飲食店のアルバイトに応募したものの、当然ながら雇ってもらえず。仕方のないことだ。従って、小売店のアルバイトに応募した。採用された。本日その契約に行ってきたのである。そのバイト先というのは、僕が地元で働いていたところと同じ会社だったりする。経験者として応募したほうが採用されやすそうだとか、僕自身知っている企業のほうが安心であるだとかという考えである。とにかくようやく職にありつけたので、一安心といったところだろうか。

 17時半に現地まで足を運び、契約して、18時半に帰宅した。ポストに郵便物があった。封筒だったので、メルカリで買った書籍かなと思い手に取ると、軽い。宛名を見ると僕の知っている字で僕の住所が書かれていた。間違いなく恋人の字である。駆け足で階段を上がり、自室に戻る。手洗いうがいをきちんとして、封筒を開ける。中に入っていたのは、3枚の手作りのマスクと手紙であった。ここで写真を見せたいのだが、これは僕だけのものということで載せない。

 以前恋人がマスクを手作りしているという連絡があったので、なんとなく「僕にも作ってよ」と言ったのを思い出した。まさか本当に作ってくれるなんて。郵送してくれるなんて。心の底から嬉しかった。

 恋人は僕の好みに合わせて無地のクールなマスクを作ってくれたようだ。嬉しい。わくわくした。やったね。

 早速ネイビーのマスクを着用した。マスクの素材が布だということもあり、なんとなく恋人の匂いがした。1か月ぶりに彼女を感じて、思わず涙腺が緩んだのはここだけの話。

 

 ここ1か月はほとんど他人とのつながりがなくて、かなり精神にこたえていたけれどものすごく元気が出た。今もそのマスクをつけてみたりしちゃってる。良い。

 いい感じに5月の幕が開けた。駆け抜けるぞ。駆け抜けてやる。