The Azure

夢は夢のままで

足湯

昨晩恋人をデートに誘った。

「足湯へ行きませんか?」

 

僕が通学路にしている川沿いに旅館があって、その隣に無料で開かれている足湯がある。有料の足湯なんて聞かないか。とにかく、足湯があるのだ。そこは学校から自転車で10分ほどの距離なので、恋人と一緒に浸かりたいと考えた僕は恋人を足湯に誘った。

たとえ恋人だろうと、デートに誘うという行為は緊張するもの。どきどきというよりはわくわくする。断られることはほぼないので。というより、Time Treeで互いの予定は把握しているので断りようがない。

 

放課後、恋人と近くのファミマへ行き、軽食を購入して、足湯へ向かった。普段から人気のない場所であるので、だれかと鉢合わせることはなかった。ふたりで仲良く足湯を楽しんだ。座るところに、買ってきたおやつや彼女が持参した間食などを並べて「ピクニックみたいだね」なんて笑いあったりした。

一時間弱くらいは浸かっていたのではないだろうか。ふたりともふくらはぎから下はぽかぽかで他は冷え切っていた。

 

もうすぐ卒業も近いので「こうやって遊ぶのも残り少ないね、さびしいね」なんて言って、お互い感傷的になるころには、日は沈んでしまった。楽しい時間はあっという間だ。

 

 

自転車で恋人をいつも分かれる場所まで送り届け(自宅じゃなくてゴメンね)、帰路に就いた。

 

普段は冷え切っているはずの足首が、今日は足湯のおかげであたたまっていた。胸のあたりがぽかぽかしていたのは足湯じゃなくて恋人のおかげであろう。